むし歯治療
歯が痛くなる理由は「むし歯」だけとは限りません。むし歯のように見た目でもわかる症状もあれば、口腔内の細菌が原因となり肉眼で確認できない場合もあります。
症状の原因を知り、適切な治療を行うことで、お口の中の様々な痛みを取り除くことが出来ます。
考えられる原因
・むし歯 ・歯周病 ・知覚過敏 ・横向きに生えた親しらず ・歯の破折 ・歯の脱臼 ・歯の根っこの膿 ・顎関節症 ・ちく膿(副鼻腔炎)…etc
そのほかにも、考えられる原因はさまざま。「軽いむし歯だからまだいいよ」と自己解釈してしまうと取り返しのつかない場合も・・・。お口の中に違和感を感じたら、原因がわからなくてもお気軽にご連絡下さい。
削る部分をなるべく少なく
拡大鏡を使用した精密治療
当院では、より精密な医療を提供するため、保険・自費問わず、治療の際には拡大鏡を使用して治療をさせて頂いております。
裸眼では見えにくいような細かな部分も拡大鏡を使ってしっかりと確認しながら処置を行うことで、削りすぎを防ぐことはもちろん、削り残しも防ぎ、むし歯が再発してしまうリスクを低く抑えるよう尽力しております。
う蝕検知液
う蝕検知液とは、むし歯になっている部分のみを染め出すことができる薬剤です。
むし歯治療を行う上で何よりも大切なことは、むし歯に感染した部分を取り残しなくしっかりと除去することですが、いくらキャリアのある歯科医師でも健全な歯とむし歯の部位を完璧に見分けることは不可能で、歯を残すことを意識しすぎるがあまりむし歯の除去が不十分だったり、時には健康な歯までも削ってしまう事もあります。
そこで当院では、う蝕検知液を使用してむし歯部分を染め出し、しっかりと目で確認しながらむし歯の取り残しや歯の削りすぎを防ぐように努めています。
カリソルブ
むし歯を除去する際にカリソルブという薬剤を使います。
むし歯にカリソルブを塗布して優しく擦りながらむし歯を溶かしていきます。
カリソルブを塗るとむし歯のしみも緩和するので、麻酔なしで治療が可能となることが多いです。
薬剤がむし歯だけを溶かし、健康な組織は削りません。歯の神経を残すための治療ですが、深くなりすぎたむし歯の神経は残せない場合があります。
カリエスプロ(カリソルブ療法)は、スウェーデンで開発された健康的な組織を削らない痛みを感じにくいむし歯治療です。ドリルの使用を最小限に抑え、麻酔もほとんど使いません。
スウェーデンでは1998年に認可され一般的なむし歯治療として普及しています。
日本では2007年に厚生労働省に認可された新しいむし歯の治療技術です。
項目 | 目的/方法 | 内容 | 費用(税込) |
---|---|---|---|
カリソルブ(1歯) | むし歯の除去 |
むし歯の穴の中に薬剤をいれて内部をきれいにします |
11,000円 |
カリソルブ+ 神経履髄法(1歯) |
むし歯の除去+神経の保護 |
神経に達する深いむし歯に対する治療、神経を保護する薬を詰めます |
18,700円 |
痛みを感じさせない工夫
歯科用レーザー(Er:YAGレーザー)
患者さまにとって負担の少ない治療を実現するために、当院では歯科用レーザーの種類のうち、エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)を導入しております。
レーザー治療は痛みを和らげる効果だけではなく、その殺菌効果により治療後の炎症を抑えたり、傷の治りを早くする効果も期待できます。
むし歯治療や歯周病のフラップ手術の際の歯石取り、口内炎の治療、軟組織の手術などの保険治療や、その他自費にて、知覚過敏対応処置、根の先の病巣の治療、歯周炎の治療(歯石の除去、歯周ポケットの治療、歯周外科治療)、歯肉の色素沈着の除去(メラニン沈着)、歯肉の切除や整形等の審美的なもの、歯の周囲の炎症を抑える治療に効果的に用いられています。
麻酔なしでできる治療と麻酔が必要な治療があります。
副作用もほとんどないので、ご希望の方はお気軽にお申し付けください。
むし歯の進行段階と治療法
Ce(ごく初期のむし歯)
歯の表面であるエナメル質が少し溶けて、白く濁っている状態です。
まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状がないため、気が付きにくいのが特徴です。
当院ではこの状態から悪化しないように「エナメル質初期う蝕の管理」という保険治療を定期的に行います。
歯みがき指導や、歯の汚れを落とし、歯を回転ブラシで磨き汚れをつきにくくしたり、フッ素等の予防処置をいたします。
都度全部の歯のむし歯のチェックをして、必要があれば予防の詰め物(シーラント)のご案内もいたします。
C1(エナメル質に達したむし歯)
歯の表面のエナメル質が溶け、黒く穴が開いている状態です。
この段階ではむし歯がエナメル質のみにとどまっているため痛みはほとんどありませんが、冷たいものがしみることがあります。
この場合、歯を削らずに予防のための詰め物(シーラント)をしたり、むし歯である部分を削り、プラスチックの詰め物(コンポジットレジン)をします。
場合によっては削らずに経過観察をすることもあります。
治療法:コンポジットレジン(CR)修復
期間:1~2回程度
C2 (象牙質に到達したむし歯)
むし歯がエナメル質の下の層の象牙質まで進行した状態です。
象牙質は柔らかくむし歯の進行が速いため、むし歯の穴の見た目よりも中で大きくむし歯が広がっていることも多くあります。
冷たいものや甘いものなどを食べたときにしみるようになり、ときどき痛むこともあります。放っておくとどんどん進行してしまうので、なるべく早めの治療が必要です
麻酔をしてむし歯部分を削ったあと、コンポジットレジン(CR)、またはインレーによる修復を行います。
治療法:コンポジットレジン(CR)修復、またはインレーによる修復
期間:1~2回程度
C3 (神経に到達したむし歯)
むし歯が神経まで進行した状態です。
何もしていなくてもズキズキした痛みが生じ、時には食事も難しくなることもあります。
一度神経にむし歯菌が感染すると、神経を残すことは出来ません。必ず炎症が起きてお痛みが出るので、神経を抜く治療(根管治療)が必要になります。また、根管治療後には被せ物をします。
〈根管治療〉
期間:2~5回程度(歯の根の先に膿がたまっている場合には5回以上の長期間かかる場合や歯を残せ ない場合もあります)〈被せ物〉
期間:2~3回程度
C4 (シーフォー:歯根まで達したむし歯)
むし歯が歯根まで達している状態で歯のほとんどがなくなっています。
この段階では神経はすでに死んでいることが多く、根っこの部分もむし歯に侵され、感染していますから歯を保存する事が困難になります。
抜歯して、ブリッジ、入れ歯などの治療を行います。
治療法:抜歯
期間:歯を抜くこと自体は1日で終わりますが、その後の予後の状態次第では数回通院してもらう場合もあります。